1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | TOTAL | |
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東京和泉リトルシニア | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 8 |
板橋シニア | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
3年ぶりに関東大会出場を決めた。我がチーム発足以来20年の歴史の中で、今大会のように敗者復活戦にまわらずストレートで秋の関東大会出場を決めたのは、平成23年とそして平成26年に続き3度目のことである。今年のチームが新たな歴史を刻んだということだ。「毎年のように関東や全国に出場しているようないわゆる名門チームとの対戦が無かった」というクジ運にも恵まれたと言えるのかも知れないが、それでもやはり公式戦で3つ勝つというのは大変なことであるし、この準々決勝においても2本の本塁打を放ち6回コールドで勝負を決めたのだから、選手達には是非自信にしてもらいたいと思う。私自身も監督としては初めて関東大会に出場出来るということになった。2年目でそれを達成出来たことは素直に嬉しいし、連れてってくれる選手達に感謝したい。ただ、今年のチームのこの秋の大会の目標は「春の全国大会出場」である。この関東大会出場の代表権獲得はあくまで通過点に過ぎない。この試合でも見逃せないミスはいくつかあった。それらを反省し、この1週間で少しでもレベルアップをして来週の準決勝に挑みたい。
まず初回。3番のツーランホームランという理想的なカタチで先制したが、その裏の守りでいきなり失点してしまった。原因は先発投手の先頭打者四球、そして次打者のセーフティーバントのサードの送球をファーストが捕り切れず無死1・3塁としてしまったことだ。やはり2点先制しているのだからバントのアウトを1つとってさえいればそんなに怖くはない。その後の3番・4番のどちらかに適時打を許したとしてもまだ2対1で勝っているのだ。しかしバントの打者走者を生かしてしまうと同点のランナーということになってしまう。理想的なカタチで先制しただけにミスで振り出しに戻されてはとても流れが悪くなる。幸いにも重盗を仕掛けて来てくれたお陰で3塁走者を本塁で殺せたため失点1で凌げたが、来週対戦するような強いチームが相手では一気にたたみ掛けられこの回で勝負を決められてしまう可能性が高い。「バント」という作戦は「アウトを1つあげるかわりに走者を1つ進塁させる」という作戦であり、それと同時に内野手のミスを誘う作戦でもある。このバントのアウトを確実に1つとれるかとれないかが、最少失点で切り抜けられるか大量失点してしまうかの分かれ道になる。
逆に攻撃面ではこのバントを2度失敗している。原因はサードがバント守備シフトで猛烈なチャージをかけてきているにも関わらず3塁側にバントしてしまっていることだ。その場合はやはり1塁側にバントしなければならない。この試合は相手捕手の肩がそれほど強くなかった為に盗塁で進塁することが出来たが、良いバッテリーが相手で走れない時はやはり「バント」という作戦が重要になってくる。土曜日には再度バント練習をして色々なことを再確認したい。
打撃に関してはよく打ったと思う。ひと冬越えて力がついた春や夏の大会で1試合2本以上の本塁打というのは見たことがあるが、この秋の段階で1試合に2本の本塁打というのは私の14年のシニア指導生活では初めてのことである。その要因となっているのは、今の2年生に1年生の時から毎週毎週課してきたトレーニングだと私は信じている。たかだか1時間かも知れないが、されど1時間。毎週毎週色々なことをやりたい中で練習時間をこのトレーニングに割いてきたのだ。それがようやく実を結びはじめているのではないかと思っている。「イチローが ”小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ” と言っている」と選手達に話したことがあるが、このトレーニングもそういうことだと思う。
守りでいうならばこの試合の主役はライト。そして素晴らしいポジショニングを指示してくれたコーチである。ライトは抜ければ長打になる大飛球を3つ好捕してくれた。そしてそういった打球が飛ぶだろうことを相手打者のスイングを見て予測し、また試合の状況(イニングや点差、アウトカウントなど)を踏まえて的確な野手のポジショニングをしてくれたコーチに拍手を送りたい。ベンチと選手の能力が一体となって掴み取った3つのアウトである。またレフトのライン際のスライディングキャッチは大きかった。先発投手がストライクをとることに苦しんでいただけに、あの9番打者を3ボール2ストライクからアウトにとれたことがどれだけその後の1番からのピッチングを楽にしたであろうか。この試合の勝利は外野の守備によるところが大きい。
投手はやはりまだ本調子とは言えない。依然として四球が多く、どうしてもボール先行の苦しいピッチングになってしまっている。しかしそれでも6回1失点と悪いなりにもまとめてくれた。そこは評価してあげたいところだ。そしてこの試合は3試合投げた中では最も内容は良かった。少しずつではあるが感覚を取り戻しつつあるのではないだろうか。ただ何より反省しなければならないのは大事な試合前に怪我をしたことだ。何とかこの試合は投げることが出来たが、自分が背負っている背番号は何番なのか?よく考え自覚を持った生活をしてほしい。
来週はいよいよ準決勝。相手は名門東練馬シニアさん。1学年50人の部員を抱えるマンモスチームだ。父兄を合わせた200人を超える大応援団が完全アウェーの舞台を用意してくれている。1つのアウト、1本のヒットに大きな歓声が上がる。その舞台で是非今年の選手達に試合をやらせてあげたかった。その経験は必ず関東大会でも生きるハズだ。誰も東京和泉シニアが東練馬シニアに勝つなんて思っていないだろう。一泡ふかせてやろうじゃないか。それに東東京支部大会の決勝戦にコマをすすめたことは東京和泉シニアの歴史上無いハズだ。幾度となくこの準決勝の壁に阻まれてきた。誰も思っていないこと、そして歴代のOB達が今まで達成出来なかったことに挑戦するのだ。こんなにワクワクするシチュエーションはない。熱く燃えて、強豪チームとの対戦を思う存分楽しんでほしい。