1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | TOTAL | |
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東京和泉リトルシニア | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 5 |
八千代シニア | 0 | 2 | 0 | 3 | 3 | × | 8 |
ここ1ヶ月もの間、毎週末雨となってしまい、オープン戦はもちろんのこと練習すらもなかなか出来ない日が続いていた。選手達には「活動日ではない平日に個人でどれだけ練習するかがとても大切だ」と言い続けてきただけに、この試合でどんなパフォーマンスを見せてくれるか逆にとても楽しみであった。また、秋の大会が終わってひと区切りついたところで、来春夏に向けたレギュラー争いの始まりでもあり、新たなポジションや打順を考える時期に入ったといえる。
攻撃に関してはバットの振れている選手が何人かいた。こういう選手は平日に素振りを繰り返していたのだと思うし、ポジション争いという点で凄く評価してあげたいところだ。また「盗塁」ということを1つテーマにあげたが、大きなリードをとり、そして3盗を何度も試みていたところは非常に良かった。関東大会1回戦で1点もとれずに負けたことを考えると、どんなに良いピッチャーが相手でも何とか1点、2点、3点と奪える攻撃力を身に付けるということもこのチームの大きな課題である。それは打撃力を上げることももちろんだが、何より走塁が大事であるし、特に盗塁出来る選手が増えるということが得点力アップに繋がることは間違いない。単純に足を速くするだけでなく、リードを大きくとることであったりピッチャーの癖を盗むことであったり、「盗塁」には色々な要素がある。野球はバスケットボールやサッカーなどと比べると、「プレーが止まっている時間」が長い。ピッチャーが投球するまでの間、攻守交替の間、あるいは打席が回って来ない間など、こういった「間」が生じる。この「間」で何をするかで結果が変わる。打席が回って来ない間にベンチから投手のボールの質、球種、配球、投球フォームの癖などを洞察出来るか、それによってどれだけ準備出来るかということが打席での結果、あるいは盗塁出来るかどうかということに繋がるということだ。こういった洞察・準備・状況確認といったことが出来るようになれば、足の遅い選手も十分に面白い走塁が出来るようになる。それは間違いなくチームの武器になり、来春夏の目標達成に一歩近づくことになる。
試合全体を振り返ると、久々の試合としては攻撃面は非常に良かったように思う。6イニングで5得点出来た訳だから十分である。しかし逆に8失点してしまっている守りは酷かった。特に先発投手がゲームをつくれないということが守りのリズムをつくれなかった大きな原因である。ここ1ヶ月の雨でろくにピッチングも出来ていないし、それどころかキャッチボールすらも出来ていなかったのだから、良いピッチングをしようにも無理がある。確かにそうかも知れない。でもだからこそその中で何とか準備をしなければならないのが先発としてマウンドに上がる者の宿命なのである。もしかしたら、同じような条件で最後の夏の大会を迎えるかも知れない。事実、今年の夏の大会前日は大雨が降りボールを使った練習が出来なかった。少なくとも春の大会の初戦は2月18日である。大雪が降ってしまってしばらくグラウンドが使えないという状況になることも十分に考えられる。そうして初戦を迎えて「練習が出来ていなかったので良いピッチングが出来ませんでした」では言い訳にならない。だから「平日に何をするか」ということが大事なのだ。毎週のように日曜日にオープン戦を組むのはそういった準備をする練習をしているということでもある。何をすれば良いピッチングが出来るのか?月曜日に何をして、火曜日に何をして、木曜日は?金曜日は?…、プロ野球選手のローテーションを守っているピッチャーだって1週間に1回の登板だ。中6日に何をするのかというのがそれぞれに課せられている課題なのである。
今年ソフトバンクで躍進を遂げた東浜投手は過酷な中6日を過ごしている。走り込み、ウエイトトレーニング、投げ込みと、休む暇無くトレーニングを続けている。昨年も今年も登板日は毎回筋肉痛だという。即戦力として期待されてプロ入りした東浜投手だが、なかなか結果を出せずにいた。入団3年目の2015年から工藤監督が指揮を執るようになり、結果の出ない東浜投手に対し「プロの身体ではない」と過酷なトレーニングを命じた。結果それまでの3年間では僅か6勝であったのに対し、昨年2016年は9勝、今年2017年は16勝と飛躍を遂げたのである。プロ野球選手でさえもそれだけ毎日努力しているのである。まして日本一になったチームの勝ち頭になるような投手がである。中学生が何もしない訳にはいかないだろう。チームの目標は何なのか?自分の目標は何なのか?それを達成する為に、投手だけではなく野手も含めて活動日以外の日をどう過ごすのか?本当にそれが来春夏のチームの結果を左右する一番のポイントだと私は確信している。それをこの週末に雨に降られ続けた1ヶ月もの間、全員ではないと思うし信じているが、やはり誰かが疎かにしてしまったが故にこの試合は負けてしまったのだと思う。