1234567TOTAL
東京和泉リトルシニア00000000
伊勢原シニア000842×14
伊勢原シニアの皆様、ありがとうございました。大変勉強になりました。今後とも是非よろしくお願い致します。

 今年の春の選抜全国大会に出場する伊勢原シニアさん。昨年の夏も全国大会代表決定戦までコマを進めており、「一度胸をお借りしたい」という思いでオープン戦をお願いした。こういった力のあるチームと対戦しチャレンジすることで、多くを学ぶこと、そして春の大会へ向けて選手達のモチベーションを引き上げてもらえないかという私の狙いもあった。

 昨秋の関東大会が終わってから、オープン戦をやっても公式戦を戦っても、全然テンションが上がって来ないチーム状態が続いていた。心が充実していないから、失敗しても平気な顔しているし、負けても悔しそうじゃないし、「勝とうとしていないのにゲームをやる意味があるのか?」と選手達に問いかけたくなるほど熱量の感じられないゲームが続いていた。しかしこのゲームは違った。朝のアップからエンジン全開。ちゃんと相手と「勝負をする」という気迫を持って試合に入ることが出来た。だから序盤の3回は0対0とゲームをつくることが出来た。その主役は先発させた1年生投手だった。多分、我がチームに入団してきて初めて「本気」を体現出来た3イニングだったのではないか?特に3イニング目の満塁のピンチの時の気迫に満ち溢れたマウンド上での立ち姿は、まさに「エース」のそれであった。内容が良かったかと言えばそうではない。ボール先行のピッチングが続き、ヒットを打たれた後に四死球を与えてピンチを広げてしまったり、勝負球だけが高めに浮いてしまったり、「ピッチャーゴロ後ろゲッツー」の場面で3塁に送球してしまったり、反省すべき点は山ほどある。でも私が投手として一番大事な要素だと思っている、「打者に向かっていく気迫」というものを今年のチームで感じたのは、昨年の5月から新チームとしてオープン戦・公式戦とこれまで79試合見てきて、80試合目のこの試合が初めてだ。ああいうマウンド上での姿を見れば、自然と野手は「守ってあげたい」と思うものだ。事実、彼が投げている間は野手のエラーは出ていない。ベンチにいる人間も、「こいつで打たれて負けたら仕方ない」と思えるものだ。彼には決してこの試合を忘れて欲しくない。伊豆市長杯の富士河口湖戦で試合を壊した時とは全然違う「心の充実」があったはずだ。だからこそ4イニング目につかまって交代を告げられた時は、余計に悔しかったはずだ。「気持ちを込めて投げる」とは言葉では簡単だが、実はかなり難しい。私も高校時代にそれで苦労した思い出がある。この試合も「伊勢原シニアに挑戦する」というシチュエーションがその心を引き上げてくれたに過ぎない。強い相手に呼び覚ましてもらったのだ。自分達で試合に臨むテンションをつくるなんて当たり前のことだが、その当たり前のことを当たり前に出来るチームが強いのである。

 「強いシニアにチャレンジする」というシチュエーションが、秋の関東大会以降眠っていた選手達の戦う心を少し思い出させてくれたのではないか?この試合のように本気になって戦えば、例え負けたとしてもしっかりと課題が浮かび上がってくる。そして何より楽しい。本気になって戦うことほど面白いことはない。きっと選手達はこの試合でその楽しさ、面白さを感じてくれたハズだ。ただ試合は0対14という屈辱的な大敗だ。その要因は何と言っても投手力。もちろん野手にも差はあるが、0対14という点差ほどの差は感じなかった。もちろんその微差が大差を生むわけなので、その僅かな差も重く受け止めなければならないことは重々承知だ。しかし投手力の差はそういったレベルではない。歴然である。やはりこの時期に1年生投手に頼らなければならない状況がチームを苦しくしている。2年生投手にプレッシャーをかけるわけではない。怪我で思うようにプレー出来ない歯痒さを、誰よりも感じてくれていると信じている。だからこそ出来る治療は出来る限りやって、早くチームの柱として投げられるようになって欲しい。そして伊勢原シニアさんの投手陣に負けないだけのピッチングが出来るような力をつけて欲しい。そうしなければ「春関東1勝 夏4勝」という目標は到底達成出来ない。目標が「1回戦、2回戦勝ちましょう」というくらいのレベルなら、今のままでも良いのかも知れない。でも選手達が掲げた目標は、秋の関東で敗れた熊谷シニアさんや、この伊勢原シニアさんのようなチームに勝たなければ達成出来ない目標なのである。投手だけでなく野手陣もそれぞれ差を感じたはずである。それを今後の練習に、試合にどう生かしていくか?0対14の屈辱的な大敗を意味のあるものにする為には、そこが大切なのである。

ページ最上部へ戻る