1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | TOTAL | |
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オール沼南 | 0 | 1 | 3 | 0 | 3 | 2 | 7 | 16 |
東京和泉リトルシニア | 1 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 |
物凄い強風の中でのゲームとなった。度々グラウンドの土煙が舞って試合が中断した為、試合の進行に時間がかかり7イニングで3時間近いゲームとなってしまった。河川敷での強い北風だったので、体感温度も非常に低く、自分の身体のコンディションを保つこと、そして集中力を維持するのがとても難しい状況下の試合であった。しかしだからと言ってそれを負けた言い訳には出来ない。相手も同じ条件下で試合をしているし、来週末から始まる春の大会は、春一番が吹くなど強風の中で試合が行われる可能性が十分に予想される大会だ。そういった意味で試合の終盤で集中力が切れ、大差で敗れたことは大いに反省しなければならない。
3対4と1点リードされて迎えた5回表裏の攻防が、この試合の流れを決める大事なイニングであった。どちらも先発投手を交代させ、攻撃は1番から始まる好打順。後攻だった我がチームはいかにこのイニングを少ない失点で切り抜け、裏の攻撃で同点、逆転という流れをつくれるかがこの試合の最大のポイントであった。先週、伊勢原シニア戦で好投した1年生投手を2番手としてマウンドに上げたが、先頭打者四球から1イニング3失点。1点差が4点差になってしまった。せっかく先週好投しても、1週間経つとやはりモチベーションをつくってマウンドに上がることを忘れてしまう。なんとなく上がって、なんとなく投げるという無責任な投球になる。マウンドに上がるということは責任を伴う。その為の準備というのは試合当日だけではない。日曜日に投げたら次の日の月曜日から準備をして、体のコンディションを整え、心を整えて試合当日を迎えなければならない。どんなスポーツをやるにしても現役でいる間は必ずどこか身体に異変が生じているものだ。怪我とは常に背中合わせだ。だからどんな時も身体のケアをして、予防をして、今出来るベストコンディションを常に目指していなければならない。「痛くなってから治そうとするのではなく、痛くならないように予防しコンディションを整えることを常に意識する」のが良い選手の条件だ。特に投手というポジションはそれが大事だ。前述のように責任が伴うからである。
中学生は思春期真っ只中だ。色んな事に目移りして、色んなことに興味が沸く。勉強もある、恋愛もある、あれもやりたい、これもやってみたい、となるのは普通だと思う。でも野球はチームスポーツだ。自分勝手な行動が、チームに迷惑をかけてしまうことになることも忘れてはならない。何にチャレンジしても良いが、チームの一員としてやるべきことを怠ってはいけない。チームが目標を定めてそれに向かっている以上、その目標達成の為のピースになる為の努力と、試合に全力を尽くせるだけの身体と心のコンディションを整えることは、チーム全選手が最低限やるべきことである。それを疎かにして他に目を向けることは許されない。
また攻撃面において見逃せない残念な打席があった。まさに集中力の欠けた「雑な打席」と感じた。5回裏。先頭の1番打者がセンターオーバーの3塁打で出塁し、無死3塁で迎えた2番打者の打席だ。ポイントと思った表の守りで差を4点に広げられてしまったが、相手も投手の代わりっ鼻である。ここで繋いでいければまだまだ追いかけられる試合だった。相手だってこの悪天候の中でのゲームだ。苦しいのは間違いない。攻めて攻めて、守りの時間を長くさせれば相手の集中力だって切れてくる。しかし2番打者は当てたような打撃で内野ゴロに倒れ、3塁走者を生還させることも出来ずにただアウトをプレゼントしただけとなってしまった。彼のショートの守備は抜群だ。中学2年生のこの時期としては大したものだと思う。しかし彼は1年生から上の学年の試合に出ている選手だ。打撃でも走塁でも同学年が相手なら圧倒的なプレーでチームを引っ張っていってくれなきゃ困る存在だ。彼にも欲が感じられない。「もっと上手くなりたい、東東京を、関東を代表するようなショートになりたい」と思って取り組んでいる姿とは思えない。東京和泉シニアのレギュラーショートで満足していて良いのだろうか?ずっと「身体が細い」と言われ続けていて、それを改善しようと努力しているのだろうか?「俺はこれくらい守備をやっておけば良い」というくらいにしか見えない。秋の大会前に指を骨折して、秋の大会は1試合も出場することが出来なかった。その悔しさを持ってこの冬取り組んでいるだろうか?その分を取り返そうと思ったら、もっともっとガムシャラに、必死になって自分のパフォーマンスを向上させる為の努力をするものだと思うのだが…。彼の今の心の温度を表した打席に見えた。「負けたくない、1年生が打たれてとられた点は俺が取り返してやる」といったような気迫に満ちた打席には到底見えなかった。それが上の学年で試合に出ていた選手の最低限のモチベーションの持ち方だ。何故なら彼が試合に出ていたせいで、出られなかった3年生がいたのだから。その選手達に報いる方法はただ1つ。自分の学年になった時に、その経験を生かしてチームで活躍し、チームを勝利に導くことだ。
さて、とうとう来週から春の大会が開幕する。秋の関東大会以降、なかなかモチベーションが上がらない試合が続いていたし、怪我人の回復も思わしくなく、チームの状態が決して良いとは言えない。しかし春の大会はそんなものだと思う。まだまだチームが出来上がっていない状態で迎えることになるのはどこのチームも同じではないか。この春の大会を通じてチームが成長し、夏の大会へ向かっていく。私自身はそんなイメージを持っている大会だ。しかしだからこそ勝たなければいけない。公式戦で勝つことほどチームが成長することはない。勝てば勝つほど公式戦を経験出来るし、それがチームを強くする。それに何と言っても勝負事は勝たなければ面白くない。春の大会とは名ばかりに、まだまだ寒い日が続いているが、寒さを吹き飛ばす激アツなゲームに出会えることを期待したい!